今回は、以前弊社で瓦工事をさせていただいた大切なお客様から、「ベランダの脚の下にある瓦が割れてしまった」とのご相談をいただきました。 原因を詳しく調査したところ、冬の間に積もった 「雪の猛烈な重み(積雪負荷)」 がベランダにかかり、支えきれなくなった荷重が脚の真下の瓦1枚に集中してパキッと割れてしまったようです。 このように、雪による屋根の破損は 「火災保険の雪災(せきさい)補償」 が適用できるケースが多いため、今回はお客様と一緒に保険申請の手続きを進めながら、二度と割れないための根本的な補強工事を行いました。 ↑ 負荷がかかり割れてしまっている様子 ↑ シーリングによる応急処置 ❄️ 今回のトラブルの原因:冬の積雪による「雪災」 1階の屋根(下屋)にあるベランダは、2階の屋根からの落雪なども相まって、実は冬場に最も大きな負荷がかかる隠れた弱点です。 水分を含んだ雪の重さは想像以上で、ベランダ全体に積もった雪の重みが数本の脚を通じて瓦の「点」にすべて集中してしまいます。 ただ新しい瓦に交換するだけでは、 次の冬にまた同じ原因で絶対に割れてしまう ため、保険を活用してしっかりとした対策を施しました。 🛠️ 二度と冬の雪に負けない!プロの補強手順 お客様に次の冬も安心して過ごしていただくため、以下の根本解決を行いました。 ① バールと当て木で慎重にジャッキアップ ベランダ本体やサッシに無駄な歪みや傷をつけないよう、 当て木をかませ、バールを使って「テコの原理」で数ミリだけ慎重にベランダの脚を浮かせます。 職人の手先の感覚が試される繊細な作業です。隙間から割れた瓦を綺麗に取り除き、新しい瓦へと差し替えました。 ↑ 取付完了 ② ベランダの脚を「2本増設」して積雪負荷を分散!(★ここがプロの技) ここが今回の最大のポイントです。 特定の瓦1枚に集中していた雪の重さをしっかり分散させるため、 新しくベランダの脚を2本増設 しました。 脚の数を増やすことで、1カ所あたりにかかる荷重を大幅に減らし、豪雪時でも瓦が耐えられる構造へと劇的に強化しました。 ③ 緩衝材(ゴムシート)の設置 新設した脚も含め、全ての脚の底面に屋外用の厚手ゴムシートを挟みました。金属の角が瓦に直接当たるのを防ぎ、重さを「面」で優しく受け止めるクッションの役割を果たします。 最後に全ての脚に均等に重さがか...
先日、以前から瓦工事などでお世話になっている大切なお客さまより、「雨樋から雨水が溢れている」とのSOSをいただきました。 現場を確認すると、原因は 積雪の重み 。軒樋を支える金具が変形し、水が流れるための「勾配(傾斜)」が狂ってしまったことで、雨水が行き場を失い溢れ出していました。 ↑ 現地調査時。受け金具が雪の負荷により変形 「雪災」として火災保険を適用 今回のケースは積雪による被害であることが明確だったため、 火災保険の「雪災補償」 を活用することをご提案しました。お客さまの自己負担を最小限に抑えつつ、住まいの機能をしっかりと回復させる最適な方法です。 ホルムズ海峡情勢による「建材不足」の壁 しかし、今、私たちの業界は大きな困難に直面しています。中東・ ホルムズ海峡の情勢不安 により物流が混乱し、雨樋などの樹脂製品や金属部材の入荷が極めて厳しい状況が続いているのです。 「材料がないから直せない」という声も聞かれますが、これまで培ってきた独自のルートを駆使し、なんとか必要な部材をすべて揃えることができました。 妥協なき「270mmピッチ」へのこだわり 材料が貴重な今だからこそ、私は「一度直したら、二度と壊れないほどの強度」で仕上げたいと考えました。 元の現場は一般的な500mmピッチで金具が打たれていましたが、今回はその 中間にすべて1本ずつ金具を増やし、250mmピッチ という超高密度で仕上げました。 当社の標準施工には、一切の妥協がありません。 一般的な和瓦の屋根の場合 :瓦の葺き幅(270mmピッチ)に合わせて全数取り付け。 垂木が表し(出ている)の場合 :すべての垂木に対して金具を全数打ち込み。 通常の倍近い数の金具で支えるこの工法は、手間も材料もかかりますが、次回の積雪への備えとしてはこれ以上ない安心感を生みます。 ↑ 今回使用した受け金具。北陸型正面打ち75mm出。75mm出なら尚更金具の本数は必要。 ↑ 受け金具の取り付け。ステンレスネジ釘にて留め付け。 ↑ 軒樋の取り付け。留め付けにはホルマル線18番を使用します。 ↑ 完成です☺ 職人のプライドをお客さまの安心に どんなに社会情勢が厳しくても、ご縁のあったお客さまの家を守る仕事に妥協はしたくありません。工事完了後、雨水が勢いよく流れていく様子を確認し、お客さまにも心から喜んでいただくこ...